Lotus

A Lotus Grows in the Mud

教養を身につける前に、高校の教科書を読み直す

今回は、教養を身につけるための方法について考えてみる。

結論から申すと、教養を身につけるために高校レベルの学習に立ち返れ、というのが私の持論だ。

教養とは何か

「一般常識を身につけろ」 

「教養を身につけろ」

誰かから一度は言われたことがある言葉ではないだろうか。では、教養とは一体何なのであろうか?

文部科学省のHP [link] には、

教養とは、個人が社会とかかわり、経験を積み、体系的な知識や知恵を獲得する過程で身に付ける、ものの見方、考え方、価値観の総体ということができる。

とある。

抽象的すぎて掴み切れないが、よりシンプルに表現すると、後天的に獲得された価値観/マインドセットのことだろう。

多くの知識人が「教養とは何か」について持論を展開しているが、おおむね「経験や知識を獲得する過程で身に着けるもの」とされている。

つまり、経験や知識を得ようと努力しなければ、教養を身に着けることは出来ない、ということになる。

教養人になることは何故難しいのか?

古典や専門書を読めばいいんでしょと考えて難しい本に手を出してみたが、全く理解できない。そういう経験をした方も多いだろう。

何が原因なのだろうか?私が思うに、この場合に不足しているのは、高校~大学教養レベルの知識だ。

ヨーロッパの古典を読むときに、ヨーロッパの歴史や地理に関する知識がなければ、内容を理解することは難しいだろう。

なぜなら、そのような基本的な説明は文中では一切されず、当たり前の事実として話が進むからだ。

きちんと理解して読むためには、立ち止まって辞書を引くなりググるなりするしかない。

そのような堅苦しい読書に耐えられる人は多くない。だから教養を身につけるのは難しいのだろう。

これは、理工系の専門書を読む際でも同様だ。高校レベルの数学・理科の知識がなければ、専門書の冒頭部分から理解できない可能性が高い。

そのため、教養を養う段階に入る前に、そのための土台を磨くべきだ

高校レベルの知識を土台にして教養を身につける

土台とは、高校までに学んだ知識のことだ。

この世を生き抜くために最も必要な知識は、小学校~中学校で習う知識である。優先度が高いから義務教育にて国民全員が学ぶのだ。

高校で習う知識は、発展的で難しい。最低限生きていく上では必要の無いものだろう。 

「高校の勉強なんて社会に出たら役に立たない」という意見が飛び出すくらいだ。

しかしながら、高校や大学で学ぶ知識というのは、専門的な能力だけではなく、人間としての深みを我々に与えてくれる。

古典や専門書は知識人が書き上げたものだ。高校~大学で学ぶ知識が欠けていて、理解できる代物ではないはずだ。

「教養を身につけるために古典や専門書を読む」というアクションが間違っているわけではなく、ホップ・ステップ・ジャンプの、ジャンプの部分をいきなり試す人が多いということだろう。

高校レベルの知識を理解し覚えている人はほとんどいないのではと私は疑っている。

理系の大学に進学した人で、日本史や世界史の細部まで理解している人はほとんどいないだろうし、同様に、文系の大学に進学した人で物理や化学を理解している人もほとんどいないだろう。

まずは高校レベルに立ち返るべきだ。自分は何も知らないのだと自覚することが、博学の境地へ至る出発点ではないかと私は考える。

高校レベルの知識をおさらいするための書籍 

高校の教科書をまだ持っている人は、それを読めばよいだろう。

もちろん最初から難しい本を読んで、理解できない箇所があれば高校の教科書やネットで調べるという方法をとっても良いだろう。

高校教科書は最新の研究内容が紹介されていたり、写真やイラストを多く使われていたりなど、読み進めやすいよう工夫されている。

10年以上前に高校を卒業したという人は、教科書の内容が古くなっているので、新たに教科書を買うか、それに準ずる参考書を買った方が良いだろう。

私のおすすめの書籍を紹介しよう。

まずは、高校の理系科目をやり直したい方にとっての定番、「現代人のための高校理科」シリーズだ。

新書サイズにまとまっているので、持ち運びにも最適だ、語り口調に近い書き方で書かれているので、親しみやすいシリーズとなっている。

物理・化学・生物・地学の4冊が出版されており、高校理科のすべての科目を網羅している。

数学に関しては、同じブルーバックスから出版されている「新体系・高校数学の教科書」がある。上下巻の2冊組になっているので、結構なボリュームがある。

 

数研出版からも、似たような趣向の「もういちど読む」シリーズが出版されている [link]。

 

こちらも同様に、数学・物理・化学・生物・地学の5科目が出版されている。

数学・物理・生物に関しては上下巻に分かれているので、ブルーバックスより内容が多くて濃い。 

文系科目に関しては、数研出版とのコラボレーションで、山川出版から「もういちど読む」シリーズが出版されている [link]。

 

このシリーズは累計120万部を売り上げている「大人のための教科書」であり、確固とした地位を築いている。有名なのでご存知の方もいるだろう。

これまで、日本史・日本戦後史・日本近代史・世界史・世界近代史・政治経済・地理・倫理が発売されている。

タイトルが乱立気味ではあるが、どの本も質が高く、高校の文系科目を復習するにはうってつけの書籍と言えるだろう。

この他にも、各出版社が似たようなシリーズを発売しているので、書店で試し読みして気に入ったものを使うと良いだろう。

基礎知識の補強が済んだら、どんどん好きな本を読んでいこう。一筋縄にはいかないが、楽しむことは忘れずに勉強しよう。