ウィンDくんのぶっちゃけトーク

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大学生活・研究室生活・留学に関することを中心に発信しています。その他、FIFAシリーズの攻略記事や書評記事も書いています。

「学者・博士」が大人になったらなりたいものアンケートで2位に!実は昔から子どもに大人気の職業

 

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どうも、ウィンDです。

 

2017年1月6日に第一生命保険「大人になったらなりたいもの」アンケートの結果を発表した。

 

event.dai-ichi-life.co.jp

 

男の子部門で「学者・博士」が昨年の8位から2位に上昇し、話題を呼んでいる。

 

この高い人気について、第一生命は「日本人のノーベル賞受賞ラッシュが原因ではないか」と分析。

 

本記事では、「大人になったらなりたいもの」アンケートがどのようなものなのかについて述べ、学者・博士の人気度の変遷や、博士人号取得者の現状についてまとめた。

 

 

「大人になったらなりたいもの」アンケートとは?

 

第一生命はアンケートの集計結果を詳細にまとめ、『第28回「大人になったらなりたいもの」 アンケート調査結果』として公開している。

 

リンク:第28回「大人になったらなりたいもの」 アンケート調査結果

 

アンケートはどのように行われているかというと、

 

第一生命保険株式会社(社長:渡邉光一郎)では、全国の幼児・児童(保育園・幼稚園児及び小学校1~6年生)を対象に、「大人になったらなりたいもの」アンケート調査を実施しました。

 

応募用紙は第一生命の生涯設計デザイナーが配布・回収し、今年度は、全国の約8万3千人のお子さま から応募が寄せられました。

 

このうち都道府県別、男女別、学年別に抽出した 1,100 点の内容を集計・分析しました。

 

なお、当社ではこのアンケートを 1989 年から毎年実施しており、その 28 年間の変遷も一覧にしています。

 

と記されている。

 

約30年前から同様のアンケートを実施・集計し続けており、歴史のあるアンケートと言えるだろう。

 

一つ気になるのは、8万3千人の子どもから応募があったにも関わらず、集計に実際に用いたサンプル数は1,100点となっていること。

 

これはおそらく、各都道府県、性別、学年のそれぞれのサンプル数を揃えるためだと考えれる。

 

標本特性は以下のとおり。

 

『第28回「大人になったらなりたいもの」 アンケート調査結果』/ 第一生命保険株式会社

 

「学者・博士」は30年前から人気の職業であり続けている

 

「学者・博士」は昨年の8位から一気に2位に上昇したということで、「学者・博士が人気になったのは最近」と考えがち。

 

しかしながら、学者・博士は常に9位以上をキープし続けており、毎年3~10%の子どもが学者・博士になりたいと答えている。

 

『第28回「大人になったらなりたいもの」 アンケート調査結果』/ 第一生命保険株式会社

 

2002年からは特に人気で、3位以上の順位になった回数が11回もある。

 

今年いきなり人気職業になったわけではなく、常に子どもたちに大人気の職業ということだ。

 

人気の要因としては、漫画やアニメでの科学者キャラの活躍であったり、日本人ノーベル賞受賞者が増加してきたことなどが挙げられるだろう。

 

実は、このアンケートで「学者・博士」が1位になった年がある。

 

2002年に、「サッカー選手」「野球選手」を差し置いて、「学者・博士」が1位の座をゲット。

 

2002年当時何が起こったかと言いますと、2000年に白川英樹がノーベル化学賞、2001年には小柴昌俊がノーベル物理学賞、野依良治が化学賞、翌年の2002年には田中耕一が化学賞を受賞しており、ノーベル賞受賞ラッシュが起こった。

 

確かに、日本人がノーベル賞を受賞すると「学者・博士」の人気が上がると言っても間違いではなさそう。

 

かくいうオレも、2010年の鈴木章・根岸英一の化学賞受賞をキッカケに化学に興味を持ち、大学進学時に化学科を選んだ。

 

世の中に大きく貢献した模範的な学者がノーベル賞に選ばれているから、彼らの発言や振る舞いに影響されて学者を志す子どもは多いはず。

 

第一生命が2016年のアンケート結果における「学者・博士」の人気を、2014年~2016年に日本人が連続でノーベル賞を受賞したことが原因だと分析しているのは、至極当然のことと言えよう。

 

ちなみに、このアンケートの調査は7月~9月に行われる。

 

ということは、ノーベル賞は毎年10月に発表されるため、大隅良典の生理学・医学賞受賞(2016年)の影響は2017年のアンケートの結果に反映されそうだ。

 

2017年には15年ぶりに「学者・博士」が1位に返り咲く可能性もある!

 

国民の200人に1人が博士(ただし、全員が研究に従事しているわけではない)

 

では、実際に博士になる人はどれくらいいるのだろうか。

 

文部科学省の「博士・修士・専門職学位の学位授与状況」をザクッと見てみますと、存命の博士号所有者は日本に50万人ほどいるようだ。

 

大学院教育について:文部科学省

 

日本の人口が1億2000万人ですから、0.5%の人が博士、つまり、200人に1人が博士ということに。

 

3~10%の小学生が学者・博士に憧れているわけだから、現実は厳しい。

 

博士号を持っていても研究職ではない職業に就く人も多い。

 

博士にはなれても学者にはなれない(or ならない)人たちがたくさんいるという事になる。

 

博士人材の就職難については、既にうんざりするほど大学生・大学院生は耳にしているし、「博士になっても安定な職業に就けるわけではない」という認識が社会に定着している。

 

次のような暗いニュースも...。

 

文部科学省は28年度に「卓越研究員事業」を開始しており、

 

「近年、短い任期での雇用など不安定な雇用によって、新たな研究領域に挑戦し、独創的な成果を出すことができるような環境に置かれていない若手研究者」

 

に対し、

 

「安定かつ自立して研究を推進できるような環境を実現するとともに、全国の産学官の研究機関をフィールドとして活躍し得る若手研究者の新たなキャリアパスを提示する」

 

としている。

 

卓越研究員事業(Leading Initiative for Excellent Young Researchers(LEADER) ):文部科学省

 

しかしながら、

 

開始初年度(平成28年度)は、849名の申請者(研究者)の内176名が卓越研究員候補者として認定されましたが、各研究機関との雇用調整が完了し、安定した研究環境を得た卓越研究員は83名に留まりました。

 

残りの93名については、今もなお来年度以降の職を得るために雇用調整を続けている状態だが、未だ状況は不透明。

 

といった非常に厳しい現状...。

 

これは卓越研究員事業の制度に問題があるような気もするが、近年の博士就職難の現状を如実に表していると言えよう(詳しい方、コメントなどで教えてくださると助かります)。

 

800人を超える博士から180人の優秀な研究者を選んだというのに、その半分が安定した職に就けていないのは、さすがに厳しすぎるというか...。

 

遂には、卓越研究員候補者リスト発起人によって、卓越研究員のリストが一般公開されるまでに至りました。

 

takuetsukouho

 

あの...大丈夫ですか?これ...

 

子どもの「博士・学者になりたい」という夢を親がサポートしやすい雰囲気の世の中に

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不安を煽るつもりではなかったのですが、結果的にそうなってしまったかもしれない。

 

ゴメンね。

 

なりたいものが何であれ、その職業に就くためには努力や覚悟が求められるのは確かだ。

 

しかし、子どもが「博士・学者になりたい!」と言った時に、「就職が厳しいからやめておきなさい!」と子どもに返してしまう親が多い社会にはしたくない、個人的には思う。

 

子どもとしては純粋に夢を追い求めているだけ、両親としては子どものことを心配してアドバイスしているだけで、どちらが悪いというわけではない。

 

全世界的に博士は職業難にさらされていると言われているが、アメリカやドイツなど、博士人材が就職の機会に恵まれ、金銭的な待遇も日本より良い国がいくつかある様子。

 

ということは、日本でも何かしらの制度改正があれば、博士人材の高度なスキルが社会に還元され、博士人材の待遇が良くなるのではないか、と考えてしまう。

 

博士人材が研究機関や企業で活躍しやすい社会になればいいなと切に願っている。

 

それでは、この辺で失礼。